海軍軍備制限ニ関スル条約 (ワシントン軍縮条約)

第一章　海軍軍備ノ制限ニ関スル一般規定

第一条

締約国ハ本条約ノ規定ニ従ヒ各自ノ海軍軍備ヲ制限スヘキコトヲ約定ス

第二条

締約国ハ第二章第一節ニ掲クル主力艦ヲ各自保有スルコトヲ得本条約実施ノ上ハ合衆国、英帝国及日本国ノ既成又ハ建造中ノ他ノ一切ノ主力艦ハ第二章第二節ノ規定ニ従ヒ之ヲ処分スヘシ但シ本条中左ノ諸規定ヲ留保ス
合衆国ハ第二章第一節ニ掲クル主力艦ノ外現ニ建造中ノ「ウエスト、ヴアージーニア」級二隻ヲ完成シ之ヲ保有スルコトヲ得右二隻完成ノ上ハ「ノース、ダコータ」及「デラウエーア」ハ第二章第二節ノ規定ニ従ヒ之ヲ処分スヘシ
英帝国ハ第二章第三節ノ代換表ニ従ヒ基準排水量各三万五千噸（三万五千五百六十「メートル」式噸）ヲ超エサル新主力艦二隻ヲ建造スルコトヲ得右二隻完成ノ上ハ「サンダラー」、「キング、ジヨージ」五世、「エージアツクス」及「センチユーリオン」ハ第二章第二節ノ規定ニ従ヒ之ヲ処分スヘシ

第三条

第二条ノ規定ヲ留保シ締約国ハ各自ノ主力艦建造計画ヲ廃止スヘク又締約国ハ第二章第三節ニ掲クル所ニ従ヒ建造シ又ハ取得スルコトヲ得ヘキ代換噸数以外ニ新主力艦ヲ建造シ又ハ取得スルコトヲ得ス
第二章第三節ニ従ヒ代換セラレタル軍艦ハ同章第二節ノ規定ニ従ヒ之ヲ処分スヘシ

第八条

航空母艦ノ代換ハ第二章第三節ノ規定ニ従フノ外之ヲ行フコトヲ得ス但シ千九百二十一年十一月十二日ニ現存シ又ハ建造中ノ一切ノ航空母艦ハ之ヲ試験的ノモノト看做スヘク且其ノ艦齢ノ如何ニ拘ラス第七条ノ規定スル合計噸数ノ範囲内ニ於テ之ヲ代換スルコトヲ得

第九条

基準排水量二万七千噸（二万七千四百三十二「メートル」式噸）ヲ超ユル航空母艦ハ何レノ締約国モ之ヲ取得シ又ハ之ヲ建造シ、建造セシメ若ハ其ノ法域内ニ於テ之カ建造ヲ許スコトヲ得ス
尤モ各締約国ハ其ノ航空母艦ノ割当合計噸数ヲ超エサル限リ基準排水量各三万三千噸（三万三千五百二十八「メートル」式噸）ヲ超エサル航空母艦二隻以内ヲ建造スルコトヲ得ヘク又経費節約ノ為各締約国ハ第二条ノ規定ニ依リ廃棄スヘキ既成又ハ建造中ノ主力艦中ノ二隻ヲ右目的ニ利用スルコトヲ得基準排水量二万七千噸（二万七千四百三十二「メートル」式噸）ヲ超ユル航空母艦ノ武装ハ第十条ノ規定ニ準拠スヘシ但シ備砲中ニ口径六吋（百五十二「ミリメートル」）ヲ超ユルモノアルトキハ航空機防禦砲及口径五吋（百二十七「ミリメートル」）以下ノ砲ヲ除クノ外備砲ノ数ハ合計八門ヲ超ユルコトヲ得ス

第十条

何レノ締約国ノ航空母艦モ口径八吋（二百三「ミリメートル）ヲ超ユル砲ヲ装備スルコトヲ得ス備砲中ニ口径六吋（百五十二「ミリメートル」）ヲ超ユルモノアルトキハ航空機防禦砲及口径五吋（百二十七「ミリメートル」）以下ノ砲ヲ除クノ外備砲ノ数ハ合計十門ヲ超ユルコトヲ得ス但シ第九条ノ規定ノ適用ヲ妨クルコトナシ又備砲中ニ口径六吋（百五十二「ミリメートル」）ヲ超ユルモノナキトキハ砲ノ数ハ制限セラルルコトナシ右何レノ場合ニ於テモ航空機防禦砲及口径五吋（百二十七「ミリメートル」）ヲ超エサル砲ノ数ハ制限セラルルコトナシ

第十一条

主力艦又ハ航空母艦以外ノ軍艦ニシテ基準排水量一万噸（一万百六十「メートル」式噸）ヲ超ユルモノハ何レノ締約国モ之ヲ取得シ又ハ之ヲ建造シ、建造セシメ若ハ其ノ法域内ニ於テ之カ建造ヲ許スコトヲ得ス但シ特ニ戦闘用艦船トシテ建造セラレタルモノニ非サル船舶又ハ戦闘用トシテ平時政府ノ管理ノ下ニ置カレタルモノニ非サル船舶ニシテ艦隊要務又ハ軍隊輸送ノ為其ノ他戦闘用艦船トシテ為ス以外ニ於テ敵対行為ノ遂行ヲ幇助スル為使用セラルルモノハ本条ノ制限ヲ受ケサルモノトス

第十二条

将来起工セラルヘキ何レノ締約国ノ軍艦モ主力艦ヲ除クノ外口径八吋（二百三「メートル」式噸）ヲ超ユル砲ヲ装備スルコトヲ得ス

第十三条

第九条ニ規定スル場合ヲ除クノ外本条約中ニ廃棄スヘキモノトシテ指定セラレタル軍艦ハ再ヒ之ヲ軍艦ニ変更スルコトヲ得ス

第十四条

商船ハ軍艦ニ変更スルノ目的ヲ以テ平時之ニ武装ヲ施スノ準備ヲ為スコトヲ得ス但シ口径六吋（百五十二「ミリメートル」）ヲ超エサル砲ヲ装備スル為必要ナル甲板ノ補強設備ハ此ノ限ニ在ラス

第十五条

何レノ締約国ノ法域内ニ於テ非締約国ノ為ニ建造スル軍艦モ締約国ノ建造シ又ハ建造セシムル同型ノ軍艦ニ付本条約ニ規定スル排水量及武装ニ関スル制限ヲ超ユルコトヲ得ス但シ非締約国ノ為ニ建造スル航空母艦ノ排水量ハ如何ナル場合ニ於テモ基準排水量二万七千噸（二万七千四百三十二「メートル」式噸）ヲ超ユルコトヲ得ス

第十六条

締約国ノ法域内ニ於テ非締約国ノ為ニ軍艦ヲ建造スルトキハ該締約国ハ他ノ締約国ニ対シ契約締結ノ日及軍艦ノ龍骨据附ノ日ヲ速ニ通報シ且第二章第三節第一款（ロ）ノ（四）及（五）ニ規定スル軍艦ニ関スル細目ヲ通知スヘシ

第二十条

第二章第四節ニ規定スル排水量噸数算定ノ規則ハ各締約国ノ軍艦ニ之ヲ適用ス

第二章　本条約実施ニ関スル規制及用語ノ定義

第二節　軍艦廃棄ニ関スル規則

第二条及第三条ノ規定ニ従ヒ処分スヘキ軍艦ノ廃棄ニ関シテハ左ノ諸規則ヲ遵守スヘシ

1. 廃棄スル軍艦ハ之ヲ戦闘用ニ供シ得サル状態ニ置クコトヲ要ス
2. 右結果ハ左ノ方法ノ何レカノ一ニ依リ確定的ニ之ヲ実現スルコトヲ要ス

   （イ）軍艦ヲ永久ニ沈没セシムルコト

   （ロ）軍艦ヲ解体スルコト　解体ハ必ス一切ノ機械、汽罐及装甲並一切ノ甲板、舷側及船底ノ鈑ノ破壊又ハ撤去ヲ含ムヘキモノトス

   （ハ）軍艦ヲ専ラ標的用ニ変更スルコト　此ノ場合ニ於テ本節第三号ノ一切ノ規定ハ予メ之ヲ遵守スルコトヲ要ス但シ（六）（軍艦ヲ移動標的トシテ使用スルニ必要ナル限度ニ於テ）及（七）ハ此ノ限ニ在ラス各締約国ハ右目的ノ為同時ニ一隻ヲ超ユル主力艦ヲ保有スルコトヲ得ス

   （ニ）仏蘭西国及伊太利国ハ千九百三十一年又ハ其ノ以後ニ於テ本条約ニ依リテ廃棄スヘキ主力艦中ヨリ専ラ練習用ノ為即チ砲術学校又ハ水雷学校用トシテ航海可能ノモノ二隻ヲ各自保有スルコトヲ得仏蘭西国ノ保有スル右軍艦二隻ハ「ジアン、バール」級ノモノタルヘク又伊太利国ノ保有スルモノノ内一隻ハ「ダンテ、アリギエーリ」ニシテ他ノ一隻ハ「ジユリオ、チエザーレ」級ノモノタルヘシ仏蘭西国及伊太利国ハ前記目的ノ為右軍艦ヲ保有スルニ当リ其ノ司令塔ヲ撤去破壊シ且該軍艦ヲ軍艦トシテ使用セサルヘキコトヲ各自約定ス

3. （イ）第九条ニ掲クル例外ヲ留保シ軍艦カ廃棄ノ時期ニ到達シタルトキハ直ニ廃棄ノ第一期作業即チ軍艦ヲ爾後戦闘任務ニ堪ヘサルモノト為スコトニ著手スヘシ

   （ロ）軍艦ハ左ノ諸物件ヲ撤去陸揚シ又ハ艦内ニ於テ破壊シタルトキハ爾後戦闘任務ニ堪ヘサルモノト認メラルヘシ

   （一）一切ノ砲及砲ノ主要部分、砲火指揮所並一切ノ露砲塔及砲塔ノ旋回部

   （二）水圧又ハ電力ヲ以テ作動スル砲架ノ操作ニ必要ナル一切ノ機械

   （三）一切ノ砲火指揮用具及測距測定機

   （四）一切ノ弾薬、爆薬及機雷

   （五）一切ノ魚雷、実用頭部及発射管

   （六）一切ノ無線電信装置

   （七）司令塔及一切ノ舷側装甲又ハ此等ノ代リニ一切ノ主要推進機関

   （八）一切ノ飛行機発著用甲板及其ノ他一切ノ航空用附属物件

4. 軍艦ノ廃棄ヲ実行スヘキ期間左ノ如シ

   （イ）第二条第一項ニ依リ廃棄スヘキ軍艦ニ付テハ本節第三号ニ従ヒ爾後戦闘任務ニ堪ヘサルモノト為スノ作業ヲ本条約実施ノ時ヨリ六月内ニ完了シ且其ノ廃棄ヲ右実施ノ時ヨリ十八月内ニ全部完了スヘシ

   （ロ）第二条第二項及第三項ニ依リ又ハ第三条ニ依リ廃棄スヘキ軍艦ニ付テハ本節第三号ニ従ヒ爾後戦闘任務ニ堪ヘサルモノト為スノ作業ハ其ノ代艦完成ノ日以前ニ之ヲ開始シ右完成ノ日ヨリ六月内ニ之ヲ完了スヘシ該軍艦ハ其ノ代艦完成ノ日ヨリ十八月内ニ本節第二号ニ従ヒ確定的ニ之ヲ廃棄スヘシ但シ新艦ノ完成遅延スルトキハ本節第三号ニ従ヒ旧艦ヲ爾後戦闘任務ニ堪ヘサルモノト為スノ作業ハ新艦ノ龍骨据附後四年内ニ之ヲ開始シ該作業開始ノ日ヨリ六月内ニ之ヲ完了スヘク且旧艦ハ爾後戦闘任務ニ堪ヘサルモノト為スノ作業開始ノ日ヨリ十八月内ニ本節第二号ニ従ヒ確定的ニ之ヲ廃棄スヘシ

第三節　代換

主力艦及航空母艦ノ代換ハ本節第一款ノ規則及第二款ノ表ニ依リ之ヲ行フヘシ

第一款　代換ニ関スル規則

（イ）主力艦及航空母艦ニシテ其ノ完成ノ日ヨリ二十年ヲ経過シタルモノハ第八条及本節第二款ノ表ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外新艦建造ニ依リ第四条及第七条ニ定ムル範囲内ニ於テ之ヲ代換スルコトヲ得右新艦ノ龍骨ハ第八条及本節第二款ノ表ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外代換セラルヘキ旧艦ノ完成ノ日ヨリ十七年ヲ経過スルニ非サレハ之ヲ据附クルコトヲ得ス但シ主力艦ハ第二条第三項ニ掲クル軍艦及本節第二款ニ掲クル代換噸数ヲ除クノ外千九百二十一年十一月十二日ヨリ十年間ハ之ヲ起工スルコトヲ得ス

（ロ）各締約国ハ速ニ左ノ事項ヲ他ノ締約国ニ通知スヘシ

（一）新艦建造ニ依リ代換セラルヘキ主力艦及航空母艦ノ艦名

（二）代艦建造ニ対スル政府公認ノ日

（三）代艦ノ龍骨据附ノ日

（四）起工スル各新艦ノ噸及「メートル」式噸ニ依ル基準排水量並主要寸法即チ水線全長、水線又ハ水線下ノ最大幅員及基準排水量ニ於ケル平均喫水

（五）各新艦完成ノ日、完成ノ時ニ於ケル噸及「メートル」式噸ニ依ル基準排水量並完成ノ時ニ於ケル主要寸法即チ水線全長、水線又ハ水線下ノ最大幅員及基準排水量ニ於ケル平均喫水

（ハ）主力艦又ハ航空母艦亡失シ又ハ不慮ノ事変ニ因リ破壊セラレタルトキハ第四条及第七条ニ定ムル噸数ノ範囲内ニ於テ且本条約ノ他ノ規定ニ従ヒ新艦建造ニ依リ直ニ之ヲ代換スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ正規ノ代換計画ハ該艦ノ関スル限リ之ヲ繰上ケタルモノト認ム

（ニ）保有スヘキ主力艦又ハ航空母艦ハ空中及水中ノ攻撃ニ対スル防禦装置ヲ施スノ目的ヲ以テスル場合ニ限リ下記ノ規定ニ従ヒ之ヲ改造スルコトヲ得即チ締約国ハ右目的ノ為現存艦ニ付其ノ増加スヘキ排水量三千噸（三千四十八「メートル」式噸）ヲ超エサル限リ「バルヂ」又ハ「ブリスター」又ハ空中攻撃ニ対スル防禦甲板ヲ之ニ装備スルコトヲ得舷側装甲又ハ主砲ノ口径、数若ハ一般装備法ハ左ノ場合ヲ除クノ外之ヲ変更スルコトヲ得ス

（一）仏蘭西国及伊太利国ハ「バルヂ」ニ関シ増加スルコトヲ得ル噸数ノ範囲内ニ於テ其ノ現存主力艦ノ装甲ヲ増加シ且其ノ備砲ノ口径ヲ十六吋（四百六「ミリメートル」）ヲ超エサル限リ増大スルコトヲ得

（二）英帝国ハ「リナウン」ニ付テハ既ニ開始シ一時中止シタル装甲変更工事ヲ完了スルコトヲ得

第二款　主力艦ノ代換及廃棄

合衆国

年度	起工代艦	完成代艦	廃棄艦（括弧内ノ数字ハ艦齢）	保有艦総数
				「ジユツトランド」海戦
				前ノ型	後ノ型
			「メーン」（二〇）、「ミズーリ」（二〇）、「ヴアージーニア」（一七）、「ネブラスカ」（一七）、「ジヨージア」（一七）、「ニユー、ジアージー」（一七）、「ロード、アイランド」（一七）、「カネテイカツト」（一七）、「ルイジアーナ」（一七）、「ヴアーモント」（一六）、「カンザス」（一六）、「ミネソータ」（一六）、「ニユー、ハンプシアー」（一五）、「サウス、カロライナ」（一三）、「ミシガン」（一三）、「ウオシントン」（〇）、「サウス、ダコータ」（〇）、「インデイアナ」（〇）、「モンターナー」（〇）、「ノース、カロライナ」（〇）、「アイオワ」（〇）、「マツサチユセツツ」（〇）、「レキシントン」（〇）、「コンスチチユーシヨン」（〇）、「コンステレーシヨン」（〇）、「サラトーガ」（〇）、「レンジアー」（〇）、「ユナイテツド、ステーツ」（〇）	一七	一
一九二二		「い」、「ろ」 （註二）	「デラウエーア」（一二）、「ノース、ダコータ」（一二）	一五	三
一九二三				一五	三
一九二四				一五	三
一九二五				一五	三
一九二六				一五	三
一九二七				一五	三
一九二八				一五	三
一九二九				一五	三
一九三〇				一五	三
一九三一	「は」、「に」			一五	三
一九三二	「ほ」、「へ」			一五	三
一九三三	「と」			一五	三
一九三四	「ち」、「り」	「は」、「に」	「フロリダ」（二三）、「ユター」（二三）、「ワイオーミング」（二二）	一二	五
一九三五	「ぬ」	「ほ」、「へ」	「アーカンソー」（二三）、「テキサス」（二一）、「ニユー、ヨーク」（二一）	九	七
一九三六	「る」、「を」	「と」	「ネヴアーダ」（二〇）、「オクラホーマ」（二〇）	七	八
一九三七	「わ」	「ち」、「り」	「アリゾーナ」（二一）、「ペンシルヴエーニア」（二一）	五	一〇
一九三八	「か」、「よ」	「ぬ」	「ミシシツピー」（二一）	四	一一
一九三九	「た」、「れ」	「る」、「を」	「ニユー、メキシコ」（二一）、「アイダホー」（二〇）	二	一三
一九四〇		「わ」	「テネシー」（二〇）	一	一四
一九四一		「か」、「よ」	「カリフオルニア」（二〇）、「メーリランド」（二〇）	〇	一五
一九四二		「た」、「れ」	「ウエスト、ヴアージーニア」級二隻	〇	一五
（註一）合衆国ハ第二節第三号（ロ）ノ規定ニ準拠シタル上「オレゴン」及「イリノイ」ヲ非戦闘用トシテ保有スルコトヲ得 （註二）「ウエスト、ヴアージーニア」級二隻 備考−「い」、「ろ」、「は」、「に」等ハ当該年度ニ於テ起工シ及完成スヘキ基準排水量三万五千噸ノ各主力艦ヲ示ス

英帝国

年度	起工代艦	完成代艦	廃棄艦（括弧内ノ数字ハ艦齢）	保有艦総数
				「ジユツトランド」海戦
				前ノ型	後ノ型
			「コンモンウエルス」（一六）、「アガメンノン」（一三）、「ドレツドノート」（一五）、「ベレロフオン」（一二）、「セント、ヴインセント」（一一）、「インフレクシブル」（一三）、「シユパーブ」（一二）、「ネプチユーン」（一〇）、「ハーキユリーズ」（一〇）、「インドミタブル」（一三）、「テメレーア」（一二）、「ニユー、ジーランド」（九）、「ライオン」（九）、「プリンセス、ローヤル」（九）、「コンケラー」（九）、「モナーク」（九）、「オライオン」（九）、「オーストレーリア」（八）、「エジンコート」（七）、「エリン」（七）、建造又ハ計画中ノ四隻（註一）	二一	一
一九二二	「い」、「ろ」 （註二）			二一	一
一九二三				二一	一
一九二四				二一	一
一九二五		「い」、「ろ」	「キング、ジヨージ」五世（一三）、「エージアツクス」（一二）、「センチユーリオン」（一二）、「サンダラー」（一三）	一七	三
一九二六				一七	三
一九二七				一七	三
一九二八				一七	三
一九二九				一七	三
一九三〇				一七	三
一九三一	「は」、「に」			一七	三
一九三二	「ほ」、「へ」			一七	三
一九三三	「と」			一七	三
一九三四	「ち」、「り」	「は」、「に」	「アイアン、デユーク」（二〇）、「マーバラ」（二〇）、「エンペラー、オヴ、インデイア」（二〇）、「ベンボー」（二〇）	一三	五
一九三五	「ぬ」	「ほ」、「へ」	「タイガー」（二一）、「クウイン、エリザベス」（二〇）、「ウアースパイト」（二〇）、「バーラム」（二〇）	九	七
一九三六	「る」、「を」	「と」	「マラヤ」（二〇）、「ローヤルソヴエレン」（二〇）	七	八
一九三七	「わ」	「ち」、「り」	「リヴエンジ」（二一）、「レゾリユーシヨン」（二一）	五	一〇
一九三八	「か」、「よ」	「ぬ」	「ローヤル、オーク」（二二）	四	一一
一九三九	「た」、「れ」	「る」、「を」	「ヴアリアント」（二三）、「リパルス」（二三）	二	一三
一九四〇		「わ」	「リナウン」（二四）	一	一四
一九四一		「か」、「よ」	「ラミリース」（二四）、「フツド」（二一）	〇	一五
一九四二		「た」、「れ」	「い」（一七）、「ろ」（一七）	〇	一五
（註一）英帝国ハ第二節第三号（ロ）ノ規定ニ準拠シタル上「コロツサス」及「コリンウツド」ヲ非戦闘用トシテ保有スルコトヲ得 （註二）基準排水量三万五千噸艦二隻 備考−「い」、「ろ」、「は」、「に」等ハ当該年度ニ於テ起工シ及完成スヘキ基準排水量三万五千噸ノ各主力艦ヲ示ス

仏蘭西国

年度	起工代艦	完成代艦	廃棄艦（括弧内ノ数字ハ艦齢）	保有艦総数
				「ジユツトランド」海戦
				前ノ型	後ノ型
一九二二				七	〇
一九二三				七	〇
一九二四				七	〇
一九二五				七	〇
一九二六				七	〇
一九二七	三五、〇〇〇噸			七	〇
一九二八				七	〇
一九二九	三五、〇〇〇噸			七	〇
一九三〇		三五、〇〇〇噸	「ジアン、バール」（一七）、「クールベー」（一七）	五	（註）
一九三一	三五、〇〇〇噸			五	（註）
一九三二	三五、〇〇〇噸	三五、〇〇〇噸	「フランス」（一八）	四	（註）
一九三三	三五、〇〇〇噸			四	（註）
一九三四		三五、〇〇〇噸	「パリー」（二〇）、「ブルターニユ」（二〇）	二	（註）
一九三五		三五、〇〇〇噸	「プロヴアンス」（二〇）	一	（註）
一九三六		三五、〇〇〇噸	「ロレーヌ」（二〇）	〇	（註）
一九三七				〇	（註）
一九三八				〇	（註）
一九三九				〇	（註）
一九四〇				〇	（註）
一九四一				〇	（註）
一九四二				〇	（註）
（註）噸数制限ノ範囲内ニ於テ隻数ハ任意トス 備考−仏蘭西国ハ主力艦噸数割当ヲ其ノ適当ト認ムル所ニ従ヒ使用スルノ権利ヲ明ニ留保ス但シ各艦ノ排水量カ三万五千噸ヲ超エサルコト及主力艦合計噸数カ本条約ニ定ムル制限ノ範囲内タルヘキコトヲ条件トス

伊太利国

年度	起工代艦	完成代艦	廃棄艦（括弧内ノ数字ハ艦齢）	保有艦総数
				「ジユツトランド」海戦
				前ノ型	後ノ型
一九二二				六	〇
一九二三				六	〇
一九二四				六	〇
一九二五				六	〇
一九二六				六	〇
一九二七	三五、〇〇〇噸			六	〇
一九二八				六	〇
一九二九	三五、〇〇〇噸			六	〇
一九三〇				六	〇
一九三一	三五、〇〇〇噸	三五、〇〇〇噸	「ダンテ、アリギエーリ」（一九）	五	（註）
一九三二	四五、〇〇〇噸			五	（註）
一九三三	二五、〇〇〇噸	三五、〇〇〇噸	「レオナルド、ダ、ヴインチ」（一九）	四	（註）
一九三四				四	（註）
一九三五		三五、〇〇〇噸	「ジユリオ、チエザーレ」（二一）	三	（註）
一九三六		四五、〇〇〇噸	「コンテ、デイ、カヴール」（二一）、「デウイリオ」（二一）	一	（註）
一九三七		二五、〇〇〇噸	「アンドレア、ドーリア」（二一）	〇	（註）
（註）噸数制限ノ範囲内ニ於テ隻数ハ任意トス 備考−伊太利国ハ主力艦噸数割当ヲ其ノ適当ト認ムル所ニ従ヒ使用スルノ権利ヲ明ニ留保ス但シ各艦ノ排水量カ三万五千噸ヲ超エサルコト及主力艦合計噸数カ本条約ニ定ムル制限ノ範囲内タルヘキコトヲ条件トス

日本国

年度	起工代艦	完成代艦	廃棄艦（括弧内ノ数字ハ艦齢）	保有艦総数
				「ジユツトランド」海戦
				前ノ型	後ノ型
			肥前（二〇）、三笠（二〇）、鹿島（一六）、香取（一六）、薩摩（一二）、安芸（一一）、摂津（一〇）、生駒（一四）、伊吹（一二）、鞍馬（一一）、天城（〇）、赤城（〇）、加賀（〇）、土佐（〇）、高雄（〇）、愛宕（〇）、未タ起工セサル計画中ノ八隻（註）	八	二
一九二二				八	二
一九二三				八	二
一九二四				八	二
一九二五				八	二
一九二六				八	二
一九二七				八	二
一九二八				八	二
一九二九				八	二
一九三〇				八	二
一九三一	「い」			八	二
一九三二	「ろ」			八	二
一九三三	「は」			八	二
一九三四	「に」	「い」	金剛（二一）	七	三
一九三五	「ほ」	「ろ」	比叡（二一）、榛名（二〇）	五	四
一九三六	「へ」	「は」	霧島（二一）	四	五
一九三七	「と」	「に」	扶桑（二二）	三	六
一九三八	「ち」	「ほ」	山城（二一）	二	七
一九三九	「り」	「へ」	伊勢（二二）	一	八
一九四〇		「と」	日向（二二）	〇	九
一九四一		「ち」	長門（二一）	〇	九
一九四二		「り」	陸奥（二一）	〇	九
（註）日本国ハ第二節第三号（ロ）ノ規定ニ準拠シタル上敷島及朝日ヲ非戦闘用トシテ保有スルコトヲ得 備考−「い」、「ろ」、「は」、「に」等ハ当該年度ニ於テ起工シ及完成スヘキ基準排水量三万五千噸ノ各主力艦ヲ示ス

第二十二条

何レカノ締約国カ海軍力ニ依ル自国安全ノ防衛ニ影響ヲ及ホスト認ムル戦争ニ従事スルニ至リタル場合ニ於テハ該締約国ハ他ノ締約国ニ通告ヲ為シタル後第十三条及第十七条ニ規定スルモノヲ除クノ外本条約ニ定ムル自国ノ義務ヲ右敵対行為ノ期間中停止スルコトヲ得但シ該締約国ハ他ノ締約国ニ対シ該時局が右停止ヲ必要トスル性質ノモノナルコトヲ通告スルコトヲ要ス
前記ノ場合ニ於テ爾余ノ締約国ハ本条約中相互ノ間ニ如何ナル一時的修正ヲ為スヘキカニ関シ協定ヲ為スノ目的ヲ以テ協議スヘシ該協議ノ結果各締約国ノ憲法上ノ手続ニ準拠シテ正当ニ成立スル協定ヲ得ルニ至ラサルトキハ右締約国ノ何レノ一国モ他ノ締約国ニ通告ヲ与ヘタル上第十三条及第十七条ニ規定スルモノヲ除クノ外本条約ニ定ムル自国ノ義務ヲ該敵対行為ノ期間中停止スルコトヲ得
敵対行為終了ノ上ハ締約国ハ本条約ノ規定中如何ナル修正ヲ為スヘキカニ付審議スル為会議ヲ開催スヘシ

第二十三条

本条約ハ千九百三十六年十二月三十一日迄効力ヲ有ス締約国中何レノ一国ヨリモ右期日ノ二年前ニ本条約ヲ廃止スルノ意思ヲ通告セサルトキハ本条約ハ締約国ノ一国が廃止ノ通告ヲ為シタル日ヨリ二年ヲ経過スル迄引続キ其ノ効力ヲ有スヘク爾後本条約ハ締約国全部ニ対シ廃止セラルヘシ　右通告ハ合衆国政府ニ対シ書面ヲ以テ之ヲ為スヘク同政府ハ直ニ通告書ノ認証謄本ヲ爾余ノ締約国ニ送付シ且通告書ヲ受領シタル日ヲ之ニ通知スヘシ該通告ハ右受領ノ日ニ行ハレタルモノト看做シ且其ノ日ヨリ効力ヲ生スルモノトス合衆国政府自ラ廃止ノ通告ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ通告ハ他ノ締約国ノ華盛頓駐剳外交代表者ニ対シテ之ヲ行フヘク該通告ハ右外交代表者ニ通牒ヲ為シタル日ニ行ハレタルモノト看做シ且其ノ日ヨリ効力ヲ生スルモノトス
何レカノ一国ノ為シタル廃止通告カ効力ヲ生シタル日ヨリ一年内ニ締約国全部ハ会議ヲ開催スヘシ

第二十四条

本条約ハ締約国ニ依リ各自ノ憲法上ノ手続ニ従ヒ批准セラルヘク且批准書全部ノ寄託ノ日ヨリ実施セラルヘシ右ノ寄託ハ成ルヘク速ニ華盛頓ニ於テ之ヲ行フヘシ合衆国政府ハ批准書寄託ノ調書ノ認証謄本ヲ他ノ締約国ニ送付スヘシ

（大正１２年８月１７日条約第二号）